中国の台湾政策を担当する国務院台湾事務弁公室は8月21日「台湾産マンゴーから害虫のミカンコナカイガラムシが検出された」として「台湾からのマンゴーの輸入を同日から停止した」と発表した。台湾農業部は中国の声明について「恣意的措置だ」と批判した。
中国はここ数年、パイナップルや魚のハタなど、台湾産の農水産物の輸入規制を発動。台湾側は「中国の政治的動機で、台湾の民主主義を干渉する」と非難している。
台湾農業部の陳駿季政務次長は台湾メディアの取材に応じ「中国からは今年の6月15日と8月3日の2度にわたり、ミカンコナカイガラムシに関する通報があり、それぞれ7月4日と8月17日に対応措置について回答した」と説明。さらに陳氏は「2018年以降、中国に輸出したマンゴーは5689ロットに上るものの、昨年までは1件も害虫が検出されていなかった」とし「中国は非常に強い手段で輸入を禁止するのは国際規範に合致していない」と述べた。
台湾では毎年5～7月にマンゴーの収穫最盛期を迎える。農業部の資料によると、今年の生産量は17万4000トンで、このうち輸出は約4000トンと全体の2.3％にとどまっており、対中輸出量は約1000トンだった。
今月中、台湾の頼清徳副総統が米国に立ち寄り、南米パラグアイを訪問した際、中国が強く反発しており、同19日から台湾周辺で軍事演習を開始した。
